転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「それじゃ、お父様たちと食事ができる日も、そんなに長くはなさそうね」
「リュシアナ様。『それでは』ですよ。ここでは構いませんが、言葉使いにも慣れていきませんと」
「あら、私ったら。ごめんなさい」

 気を抜くと、王女らしからぬ言葉使いになってしまう。前世の記憶も、良し悪しだと思った。

「あの、リュシアナ様」
「えっ、ミサ? どうしたの?」

 さきほどの雰囲気はどこへいったのか、突然ミサが、私の横で跪いた。

「私への頼み事は、いつになったらおっしゃってくだるのでしょうか。昨夜の就寝前も、今も、話してくださるのを、ずっと待っていたのですが……もう我慢できません」
「あぁ、それね。けして忘れていたわけではないのよ」

 それは本当だ。ただ、ものが来ていない以上、頼み事をするわけにもいかなかった。

「でしたら今すぐ、おっしゃってください。なんでもこなしてみせます!」
「えっと、とりあえず落ち着いて、ね」
「ミサ殿」

 あまりの気迫に困っていると、見かねたカイルが近づいてきた。
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