転生王女の私はタロットで生き延びます~護衛騎士様が過保護すぎて困ります~
「頼み事をする前に、このワゴンを厨房に戻すべきではありませんか? まずゆっくり話をできるようにしてから、リュシアナ様に尋ねるべきだと思います」
「うっ、それは……そうですが」
気になるよね、そりゃあ……。でも、やるべきことをやってから、ね。厨房にいる人たちも困るわけだから。
「ミサ」
「……分かりました。厨房に行って参ります。ですが!」
「うん。帰ってきたら、ちゃんと話すわ」
それでも渋々、部屋を出ていった。長い距離でもないのに、時折後ろを振り向き、名残惜しそうにするミサ。その姿を見ていると、ますます罪悪感が増した。
「ありがとう、カイル。助かったわ」
「いいえ。ですが、不思議です」
「何が?」
「昨日、グレティスに取った処置のように、ミサ殿に対しても、毅然と振るまれるのかと思っていましたので」
処置……グレティスが帰る際、監視という名の護衛を付けたことを言っているのだと悟った。それも、信頼できる人物を、とカイルに頼んだのだ。勿論、腕が立つことが前提である。
「うっ、それは……そうですが」
気になるよね、そりゃあ……。でも、やるべきことをやってから、ね。厨房にいる人たちも困るわけだから。
「ミサ」
「……分かりました。厨房に行って参ります。ですが!」
「うん。帰ってきたら、ちゃんと話すわ」
それでも渋々、部屋を出ていった。長い距離でもないのに、時折後ろを振り向き、名残惜しそうにするミサ。その姿を見ていると、ますます罪悪感が増した。
「ありがとう、カイル。助かったわ」
「いいえ。ですが、不思議です」
「何が?」
「昨日、グレティスに取った処置のように、ミサ殿に対しても、毅然と振るまれるのかと思っていましたので」
処置……グレティスが帰る際、監視という名の護衛を付けたことを言っているのだと悟った。それも、信頼できる人物を、とカイルに頼んだのだ。勿論、腕が立つことが前提である。