音の放浪者
私は椅子から立ち上がって、自己紹介を始めた。
「桐生中学校から来た瀬名風音です。趣味は読書で、中学校では吹奏楽部に入っていましたが高校では軽音部に入ろうと思っています。1年間よろしくお願いします。」
そう言うと教室の至る所から拍手が聞こえ、私はその音を聞きながら席に座った。
それから全員の自己紹介が終わり、先生は各自下校するようにと言って教室から去っていった。
私は帰る為にボストンタイプの革製スクールバックを肩にかけていると、前から声がかかった。
「ねえねえ、瀬名さんも軽音部に入る予定なの?」
私はびっくりして顔を上げると端正な顔が目に入った。そしてそのとき私は、初めて彼女───────、堺彩世さんの顔を真正面から見た。
彼女の赤い髪はショートカットになっており、澄んだ湖のような水色の瞳に、私は無意識に吸い込まれてしまった。
堺さんと目が合うと、肩にかかっていた触覚がはらりと落ち、彼女はにこりと微笑んだ。
「あ、うん。高校からは軽音やってみたいなって思って。」
そう私が言葉を返すと彼女はさらに口角を上げ、こう言った。
「へえ、そうなんだ!実は私、このクラスに知ってる人が一人もいなくて、良ければ同じ部活に入ろうとしてる櫻庭さんと仲良くなりたいなって思って!このあともし時間あったらさ、ちょっとカフェとか行ってお話しない?」
「いいの?私は時間沢山あるから大丈夫だけど……」
「よし!そうと決まれば一緒に行こう!」
彼女はそう言うと、私の手を引いて教室を後にした。
こうして、私の高校生活は始まった。
「桐生中学校から来た瀬名風音です。趣味は読書で、中学校では吹奏楽部に入っていましたが高校では軽音部に入ろうと思っています。1年間よろしくお願いします。」
そう言うと教室の至る所から拍手が聞こえ、私はその音を聞きながら席に座った。
それから全員の自己紹介が終わり、先生は各自下校するようにと言って教室から去っていった。
私は帰る為にボストンタイプの革製スクールバックを肩にかけていると、前から声がかかった。
「ねえねえ、瀬名さんも軽音部に入る予定なの?」
私はびっくりして顔を上げると端正な顔が目に入った。そしてそのとき私は、初めて彼女───────、堺彩世さんの顔を真正面から見た。
彼女の赤い髪はショートカットになっており、澄んだ湖のような水色の瞳に、私は無意識に吸い込まれてしまった。
堺さんと目が合うと、肩にかかっていた触覚がはらりと落ち、彼女はにこりと微笑んだ。
「あ、うん。高校からは軽音やってみたいなって思って。」
そう私が言葉を返すと彼女はさらに口角を上げ、こう言った。
「へえ、そうなんだ!実は私、このクラスに知ってる人が一人もいなくて、良ければ同じ部活に入ろうとしてる櫻庭さんと仲良くなりたいなって思って!このあともし時間あったらさ、ちょっとカフェとか行ってお話しない?」
「いいの?私は時間沢山あるから大丈夫だけど……」
「よし!そうと決まれば一緒に行こう!」
彼女はそう言うと、私の手を引いて教室を後にした。
こうして、私の高校生活は始まった。