愛を知った日
数日後。文化祭のお疲れ様会として俺達の馴染みの店に行く事になった。女子をその店に連れて行くのは気が引けたがこの店しか思い浮かばなかった。
この店の名物のデミカツを幸せな表情で食べる奏を見ていると俺も幸せな気持ちになった。その後、明美から映画のチケットをもらい4人でそのまま観に行った。
俺は映画を観に行ったことがほとんどなかったため役には立たなかったが奏はテキパキと操作をする。
その映画は話題になっているだけあってとても面白く夢中になってしまった。
ふと隣から視線を感じてそっちを見ると目が合って、次に奏と手がくっついていることに気づいた。
急いで離したが、ドキドキして顔が赤くなってしまった。それを誤魔化すように再び映画に集中する。でも本当は全然集中できなかった。
その日、テストへ向けての勉強会を奏の家ですることになった。奏の家に行くのは初めてで緊張する。
映画館を出たら空が暗くなっていたので明美は伊月が送るというので俺は奏を送って行くことになった。
緊張しながらもたわいもない話をしているとあっという間に家に着いた。思っていたより奏との時間を楽しんでいる自分に驚いた。今まで時間を忘れる事なんてなかった。
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