愛を知った日
「じゃあ伊月くんとお兄ちゃんと明美ちゃん達呼んでパーティーだ〜」
「楽しみね。」
「うん。」
そう話したのは誕生日の約3週間前だった。
次の休み。今日は鳳蝶くんとの散歩デートの日だ。気合いを入れて可愛い服を選んだ。
時間になったら迎えに来てくれるらしい。
その時、インターホンが鳴った。
「はい。」
「迎えに来た。」
「今行く。」
私は最後に鏡で自分の姿を確認し家を出た。
「おはよ。体調とか大丈夫か?」
「おはよう。大丈夫だよ。」
「じゃあ行こっか。」
自然と手を繋ぐ。
「ゆっくり歩こう。」
「うん。紅葉見れるかな?」
「あーどうだろうな。なんか遊歩道がこの辺にあってそこに行こうかと思ってるんだけどそこなら見れるかも。」
「そうなの?楽しみ!」
「はははっ。行こう。」
2人で歩きながら色々な話をして遊歩道に向かった。遊歩道をゆっくり歩くと紅葉が綺麗だった。
「すごく綺麗〜」
するとパシャというスマホの音が聞こえた。
「今撮ったでしょ。」
「へへ。可愛いすぎて撮っちゃった。」
「絶対変な顔してるからやめて。」
「変な顔じゃないよ。可愛い。」
「もう〜撮るなら一緒に撮りたかった。」
そう呟くように言うと
「いいよ。撮ろうよ。」
結局紅葉を背に2人で撮った。
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