愛を知った日
「私、すっごく嬉しかった。今まで入退院の繰り返しだったから友達なんていなかったしもちろん彼氏だって。でも今年はみんなと過ごせて夢みたいだった。幸せだった。鳳蝶くんのおかげでまだ生きたいって思えたの。ありがとう」
鳳蝶くんは涙を流していた。
「泣かないで。今まで黙ってて本当にごめんね」
「いや…」
「もう覚悟は出来てるから。残りの時間を精一杯生きる」
「残りの時間なんて言わないでくれ!奏はずっと俺と俺達と一緒に生きるんだよ!」
鳳蝶くんは私の肩を優しく掴む。 
「ありがとう…」
私は優しくそれだけ返した。
そして今日。私は隣に座った鳳蝶くんに手術が正式に決まったことを伝える。
「そういえば前に言ってた手術決まったよ」
「あっそうか。決めたんだ」
「うん。鳳蝶くんの言う通り生きることを諦めないためにずっと一緒にいるためにもね」
「良かった。ありがとう。俺も全力で支えるから」
「今こうやって病院に来てくれるだけでも嬉しいよ。無理しないでね。ちゃんと学校は行ってる?」
「行ってるよ」
「バイトも忙しんでしょ?」
「大丈夫。俺がしたくてしてることだし別に負担じゃない。それより今は自分の体大切にしろ」
「分かってます〜」
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