愛を知った日
「本読んでたのか?」
「うん。明美ちゃんから貸してもらった本」
「面白いか?」
「うん」
「俺は本とか苦手だからなぁ」
「あっ…あのさ…」
せっかく2人っきりだったので私は今まで聞けなかったことを聞いてみることにした。
「うん?」
「あの…あれから蘭ちゃんとはどうなの…?」
あの後、親がいたこともあり蘭ちゃんの話はしていなかった。鳳蝶くんはその言葉に少し目を見開きゆっくり息を吐いて答えた。
「あれからあんまり話してない。それにあいつここから離れるらしいしな」
「なんで?」
「行きたい大学があるんだってよ」
「あれ?じゃあみんなもうすぐ卒業じゃん!」
「そうだよ」
鳳蝶くんはさらりと言う。
「鳳蝶くんはどうするの?」
「俺は高卒でもいいかと思ったんだけど看護師の専門学校行く事にしたんだ」
「実はずっと考えてて夏に奏が倒れた時から…いや、もっと前から」
「そうなんだ…全然知らなかった…」
「ごめんな。言ってなくて」
「じゃあ勉強、大変なんじゃない?」
「まぁな。でも忙しいのは慣れてるしまだ受験まで時間あるから。それに毎日こっちに来てるわけじゃないだろ?」
「無理だけはしないで」
「うん。分かってる」
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