愛を知った日
両親のことは話した時奏はひどく動揺して涙を流した。
俺もちょっとびっくりして慰めようと手を広げると奏はすぐに飛び込んできた。そして奏から強く抱きしめてくれた。しかも好きとまで言ってくれた。ここまで奏が積極的なのはほぼ初めてだった。
それに
「鳳蝶くん、よく頑張ったんだね。すごいね」
と言ってくれたのも印象的だった。俺はずっとそう言って欲しかったのかもしれない。どんな事をしても誰も褒めてはくれなかった。寂しかった。でも今はその寂しさから解放されたように感じる。それは奏がいてくれるからだ。その日は奏を強く抱きしめたまま眠りについた。
翌日。遅めに起きた俺達は天気が良いので近くの公園でブランチを食べることにした。
一緒におにぎりとサンドウィッチ、それに少しだけおかずも準備する。
「あ〜ぁ」
奏があくびをした。
「眠たいなら寝てていいんだぞ」
「大丈夫。昨日遅かったから」
と奏が言うので
「昨日は無理させてもんな」
と囁く。すると
「やめてよ。朝なのに」
赤面してそう返してくる。それもとてつもなく可愛い。
「ははっ。ごめん。可愛いなぁ」
奏の頬をつつくと少しぶっきらぼうな顔をした。
「早くこれ切って」
「は〜い」
これ以上からかうのはやめにする。
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