魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「どんなことがあって、なにが変わろうとも。俺の側にいてくれるよな、シルウィー……?」
「はい。もう勝手に離れたりしませんから」

 迷うことなく、お互いの愛を伝えられるようになった私たちの間に、もう不安はない……自分の中心にあるこの気持ちだけは、いつまでも変わらないと確信できるから。

 その時だった。笑顔でスレイバート様の肩に頭を預けた私の耳に……微かだが聞き逃せない報せが届いたのは。

『――近々、あなたたちに新しい幸せが訪れそうですよ……』
「……え!?」
「あん? 急にどうした」

 まるで挨拶でもするかのように、ふわりと薄い光の玉が私の身体を通り抜け、窓の外に消えていったような気がした。
 びくっと身体を硬直させた私に対して彼は訝しそうにしたが、結局囁きはそれっきり。
 以降どれだけ耳を澄ませようと……なにも聞こえてこない。

(風の音でも聞き間違えたのかな。でも今……確かに――)
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