魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「お嬢様、お父上がお呼びです」
「わかったわ。すぐ行きます」
古株の執事のしゃがれ声に私は短く答えると、せめてできる範囲で髪を梳り、白粉をはたいて身なりを整える。
これも先日の婚約破棄を受け父が屋敷で働く使用人を大量解雇したせいだ。爵家の令嬢としてはだいぶ情けない姿だが、やらないよりはましといえる。
――さてはて、王家への莫大な賠償金はどれだけの額に上るか計り知れない。
家具から服から靴の一足までを売ろうと足りないからと、もはやこの屋敷には残されているのはさっきの執事と後二、三人の使用人だけ。金品から私の使っていた魔道具まで、価値のあるものはほとんど全てが運び出された。
もちろん私に付けられていた侍女たちも暇を出され、ここ数日私が口にできたのは彼女たちが片付けずに置いていったしけった数枚のクッキーと、後は井戸水くらい。
少し気を抜けば空腹が頭によぎるけど、かろうじてそれを頭から追いやると、私はクローゼットに置いてあった比較的着やすいワンピースドレスを身に纏って部屋を出た。
「わかったわ。すぐ行きます」
古株の執事のしゃがれ声に私は短く答えると、せめてできる範囲で髪を梳り、白粉をはたいて身なりを整える。
これも先日の婚約破棄を受け父が屋敷で働く使用人を大量解雇したせいだ。爵家の令嬢としてはだいぶ情けない姿だが、やらないよりはましといえる。
――さてはて、王家への莫大な賠償金はどれだけの額に上るか計り知れない。
家具から服から靴の一足までを売ろうと足りないからと、もはやこの屋敷には残されているのはさっきの執事と後二、三人の使用人だけ。金品から私の使っていた魔道具まで、価値のあるものはほとんど全てが運び出された。
もちろん私に付けられていた侍女たちも暇を出され、ここ数日私が口にできたのは彼女たちが片付けずに置いていったしけった数枚のクッキーと、後は井戸水くらい。
少し気を抜けば空腹が頭によぎるけど、かろうじてそれを頭から追いやると、私はクローゼットに置いてあった比較的着やすいワンピースドレスを身に纏って部屋を出た。