魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 そしてその可能性は、日を追うごとに高くなる……。
 そんな中で私にできることといったら、呪いの使い手を探し出すのを手伝ってあげることと、できる限りボースウィン領を瘴気の被害から遠ざけ、スレイバート様の回復を祈ることくらいだ。

「あなたたちがそんな顔をすることを、スレイバート様は望んでいないわ。だから、今は私たちにできることを。私も魔法に関しての知識はあるし、他に解呪の方法がないか思い出してみるから」

 ふたりに頷きかけ、隣に座るテレサの手を握ると、彼女は肩をそっとこちらに寄せた。

「ありがとうございます。シルウィーお姉様が来てくれて本当によかった……」
「ええ。冗談じゃなく……僕らもスレイバート様も心からあなたのことを歓迎し、尊敬していますから。ここをもうひとつの故郷と思えるように、なにか困ったことがあったら遠慮なく相談してください。力になります」
「ありがとう、心強いわ」

 対面のルシドも手を差し出してくれ、握手を交わす。彼らの気持ちを少しでも前向きなものにできたならよかったとほっとしていると……

「ルシド様、こちらに!」
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