魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「はは、どうした。お前らまでしけた面しやがって……。いつもと同じだ、ちょっと立ちくらみがしただけでこんなのは寝てりゃ治る。いちいち騒ぐな」
そう言いながらも、彼は緩く唇の端を上げただけで動こうともしない。身体を起こす余力もないように思えた。
「やはり、ご無理をされ過ぎなんです……。いっそのこと、爵位だけでもどなたかに引き継いでいただき、もっと楽な場所で静養されるべきでは」
そんな、ルシドの悔しそうな声に……しかしスレイバート様は僅かに首を振って呟く。
「今のボースウィン領の状況を知ってるだろ。どこもかしこも自分の管理する街のことで手一杯だ。そんな中、今俺が仕事を放りだすようなことをしてみろ。ここぞとばかりに敵国がちょっかいをかけてくるだろうよ。せっかく、こいつのおかげで明るい兆しが見えてきたんだ……張りぼてみてーな領主でも、もう少しだけ、時間を、稼がねーと……」
彼はちらりと横目で私を見ると、辛そうに目を閉じた。スレイバート様の額からは今もうっすら汗が噴き出し、強い呪いが彼の身体を蝕んでいるのが分かる。
強情な彼に、それでもテレサは一緒になって懇願した。
そう言いながらも、彼は緩く唇の端を上げただけで動こうともしない。身体を起こす余力もないように思えた。
「やはり、ご無理をされ過ぎなんです……。いっそのこと、爵位だけでもどなたかに引き継いでいただき、もっと楽な場所で静養されるべきでは」
そんな、ルシドの悔しそうな声に……しかしスレイバート様は僅かに首を振って呟く。
「今のボースウィン領の状況を知ってるだろ。どこもかしこも自分の管理する街のことで手一杯だ。そんな中、今俺が仕事を放りだすようなことをしてみろ。ここぞとばかりに敵国がちょっかいをかけてくるだろうよ。せっかく、こいつのおかげで明るい兆しが見えてきたんだ……張りぼてみてーな領主でも、もう少しだけ、時間を、稼がねーと……」
彼はちらりと横目で私を見ると、辛そうに目を閉じた。スレイバート様の額からは今もうっすら汗が噴き出し、強い呪いが彼の身体を蝕んでいるのが分かる。
強情な彼に、それでもテレサは一緒になって懇願した。