魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そんな折、私はある時スレイバート様の執務室に招かれ、面談を行った。
そこには魔法士でないためボースウィン城に留まれなかった、スレイバート様の側近のクラウスさんという方も同席しており、ずいぶん改まったようすに私は身を固くする。
スレイバート様の態度もあれからややよそよそしいというかなんというか……軽く挨拶をした後ぎこちない世間話をいくつか繰り返し、言葉を選ぶようにして、ようやく本題が切り出された。
『あー……シルウィー、お前さ。なにかやりたいことはねーのか?』
『……はい?』
『ほら。確かお前、実家じゃ魔法に関しての勉強ばかりやらされて、ろくに自由もなかったって言ってたろ。こうして、お前のおかげでボースウィン領は復興しつつあるんだし、お前は少し、自分自身のことに目を向けてみたらどうかと思ったんだ』
『私自身のこと……ですか』
確かに、私の人生経験の大半は、自分では生かせない魔法の知識について費やされ、世間知らずと言われても仕方がない。まともな令嬢としての知識すら乏しく、社交界でのマナーや、身を飾る衣装や装飾品といった、女性としての嗜みにも明るくない。
むしろそれよりかは、街で楽しそうにはしゃぐ子ども達の自由な姿に羨ましさを覚えたものだが、でもこうして具体的に、一個人として私がなにをやりたいのか問われると、すんなりと答えは出てこない。
そこには魔法士でないためボースウィン城に留まれなかった、スレイバート様の側近のクラウスさんという方も同席しており、ずいぶん改まったようすに私は身を固くする。
スレイバート様の態度もあれからややよそよそしいというかなんというか……軽く挨拶をした後ぎこちない世間話をいくつか繰り返し、言葉を選ぶようにして、ようやく本題が切り出された。
『あー……シルウィー、お前さ。なにかやりたいことはねーのか?』
『……はい?』
『ほら。確かお前、実家じゃ魔法に関しての勉強ばかりやらされて、ろくに自由もなかったって言ってたろ。こうして、お前のおかげでボースウィン領は復興しつつあるんだし、お前は少し、自分自身のことに目を向けてみたらどうかと思ったんだ』
『私自身のこと……ですか』
確かに、私の人生経験の大半は、自分では生かせない魔法の知識について費やされ、世間知らずと言われても仕方がない。まともな令嬢としての知識すら乏しく、社交界でのマナーや、身を飾る衣装や装飾品といった、女性としての嗜みにも明るくない。
むしろそれよりかは、街で楽しそうにはしゃぐ子ども達の自由な姿に羨ましさを覚えたものだが、でもこうして具体的に、一個人として私がなにをやりたいのか問われると、すんなりと答えは出てこない。