魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
とはいえ、帝国の北部に広大な領土を構えるボースウィン公爵の婚約者であるのに、どうしてわざわざこんなことをし始めたのか、疑問に思う方も多いと思う。なので一応、どのような経緯でこういうことになったのかを、一旦少しだけ説明させていただくこととしよう……。
――遡ること一ヶ月ほど前。
スレイバート様の呪いが解けたことで、ボースウィン城には穏やかな日常が戻って来つつあった。
瘴気被害でここを去らざるを終えなかった大半のの人達が戻り、城内は日に日に活気を取り戻していく。そんな中で、スレイバート様が私のことを知らないお城の元住民たちに、婚約と解呪周りの事情を説明してくれたりして、多くの人に感謝されたりもした。
それは嬉しかった半面、どこか他人事のようで……。
私もどうしてあんなことができたのか分からないし、スレイバート様たちも停滞していた執務に取り掛かり始めてとても忙しくなっていたから、特別にあの日のことを蒸し返すこともなかった。
かといって、もちろん彼らが私をぞんざいに扱ったわけではない。むしろその逆で、壊れ物のように丁重に扱ってくれた。でも、それは彼らとの関係に今までにはなかった距離を生みだしているような気がして、私の心にはほんのわずかな寂しさが訪れていたのだ。
――遡ること一ヶ月ほど前。
スレイバート様の呪いが解けたことで、ボースウィン城には穏やかな日常が戻って来つつあった。
瘴気被害でここを去らざるを終えなかった大半のの人達が戻り、城内は日に日に活気を取り戻していく。そんな中で、スレイバート様が私のことを知らないお城の元住民たちに、婚約と解呪周りの事情を説明してくれたりして、多くの人に感謝されたりもした。
それは嬉しかった半面、どこか他人事のようで……。
私もどうしてあんなことができたのか分からないし、スレイバート様たちも停滞していた執務に取り掛かり始めてとても忙しくなっていたから、特別にあの日のことを蒸し返すこともなかった。
かといって、もちろん彼らが私をぞんざいに扱ったわけではない。むしろその逆で、壊れ物のように丁重に扱ってくれた。でも、それは彼らとの関係に今までにはなかった距離を生みだしているような気がして、私の心にはほんのわずかな寂しさが訪れていたのだ。