魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 見送りの言葉に押されるようにして、カラカラと車輪が回り出した。テレサたちの姿も、お店の輪郭もあっという間に遠ざかり、私は吹き込む風に新しい生活の清々しさを感じ取る。

(よーし、今日も頑張るぞ!)

 たちまち目の前の景色が開けてゆき、世界が大きく広がる気配。
 こうして、本日も私のお仕事が始まる――。


< 214 / 1,187 >

この作品をシェア

pagetop