魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 彼の問題がこの先うまく解決するのかは私にも分からない。

 国を跨ぐ問題で一筋縄ではいかないのだろうけど、でも私はなるべくよい形で決着できるように願っているし、そのための協力なら惜しむつもりはない。その意志を伝えられただけでも、とても有益な時間だった。

「あっ……そろそろ着きますよ!」
「わっ、すごい人ね……!」

 そんなやりとりのおかげで退屈なんて感じる間もなく、気が付けば――ボースウィン領有数のの観光地としても有名だという、賑わいを見せるサンクリィ村の入り口が目と鼻の先に迫っていた。




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