魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「ほらほら皆さん、聖女様が困ってしまいますから各自お仕事に戻ってくださいな! お話は私が伺っておきますから!」

 その気まずさを察してくれたのか、まとめ役の女性はパンパンと手を打つと、村人たちが解散するよう促す。
 そして、私たちを労うために自宅に連れてゆき、お茶を用意してくれた。

「さあ、どうぞ……お疲れになったでしょう。お口に合うといいのですが」
「「ありがとう、いただきます」」

 中々立派なお屋敷で、リビングらしき場所にルシドと一緒に隣り合って座った私は温かいお茶をゆっくりと喉に流し込んでいく。優しい味にふっと肩の力が抜けた。

(ふう……落ち着く)

 瘴気を吸う回数が増えるごとに、この力が馴染んでくる気がして、今はもうあまり眠くなったりはしない。そのことにやや安堵しながら、私は気になっていたことを尋ねてみた。

「そうだ……村の広場に立派な像が置いてありましたけれど、あれって有名な方なんでしょうか」

 遠目だったのでよく確認できず、瘴気の除去や村人の対応で慌ただしくなっていたから後で聞こうと思っていたのだ。
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