魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 人々の憩いの場である広場の真ん中に立てられた、背が高く、強そうな男性の像。
 それにどんな由来があるのか……これもボースウィン領のことをまた一つ知るチャンスかもしれないとわくわくしていると、まとめ役の女性は嬉しそうな笑顔を光らせた。

「立派でしょう。あれは、先代の公爵様であるアルフリード様の像なのですよ。彼は生前この村に駆け付け、全滅の危機から私達を救ってくれたことがあったのです」
「わぁ……そんなことが!?」

 さすが英雄と呼ばれて慕われていた人物だと私が目を丸くすると、隣のルシドもうんうんと頷く。

「アルフリード様は、帝国でも三本の指に数えられるほどの戦上手で、領内の危機のみならず、国境を接しているベルージ王国からの侵攻を何度も水際で阻止して来た、極北の英雄と呼ばれるすごい方なんです。それもあって、領内のいたるところで、彼の伝説を讃える話や、お姿を象った像が作られているんですよ」

 そんな話に、さすがスレイバート様のお父上だわと私が感心していると、まとめ役の女性はここぞとばかりに、この村でのアルフリード様の活躍を説明してくれた。

「あれは、今から二十年以上の前のこと。私がほんの小さな子供の頃でした。急に、村の周辺にこの辺りではほとんど見たことのないような、恐ろしい魔物達が出現し始めたのです……」
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