魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
その内領主様の出発が近づき、別れを名残惜しんでいた女性が指を掴んでくる赤子に「またいつか、お母様とも会えるといいね」と笑いかけた。するとそれを見ていたアルフリード様は沈痛な面持ちで一言「すまない……」と口にしたという。
「……それを私は、きっとスレイバート様の母君を事情があってお連れすることができなかったことについてだと思ったのですが……それにしてはあまりにも、アルフリード様の表情が辛そうで――」
そういえば、スレイバート様のお母上に関しては、まだ誰からも話を聞いたことがない。今どこでどうされているのだろう。お元気であればいいのだけれど――。
女性はそこではっとすると痛ましい表情を収め、話に共感していた私たちに笑いかける。
「申し訳ありません、場を暗くしてしまって。とにかく、アルフリード様は素晴らしい統治者でございました。早くに亡くなられたことだけは残念でしたが……私たちは彼の偉業を永遠に語り継ぎたいと思っています。そしてこれからは、ご子息のスレイバート様がこの領地を盛り立ててくださるはず。私達もそうと信じ、先人たちに恥じぬようこの地を守っていくことを誓わせていただきます」
今後とも、ボースウィン家の栄華を祈っていると女性は頭を下げ、私たちも必ずスレイバート様にその想いを伝えることを約束する。
そして女性が長話になってしまったことを詫びると、玄関を固い音が叩いた。
「……それを私は、きっとスレイバート様の母君を事情があってお連れすることができなかったことについてだと思ったのですが……それにしてはあまりにも、アルフリード様の表情が辛そうで――」
そういえば、スレイバート様のお母上に関しては、まだ誰からも話を聞いたことがない。今どこでどうされているのだろう。お元気であればいいのだけれど――。
女性はそこではっとすると痛ましい表情を収め、話に共感していた私たちに笑いかける。
「申し訳ありません、場を暗くしてしまって。とにかく、アルフリード様は素晴らしい統治者でございました。早くに亡くなられたことだけは残念でしたが……私たちは彼の偉業を永遠に語り継ぎたいと思っています。そしてこれからは、ご子息のスレイバート様がこの領地を盛り立ててくださるはず。私達もそうと信じ、先人たちに恥じぬようこの地を守っていくことを誓わせていただきます」
今後とも、ボースウィン家の栄華を祈っていると女性は頭を下げ、私たちも必ずスレイバート様にその想いを伝えることを約束する。
そして女性が長話になってしまったことを詫びると、玄関を固い音が叩いた。