魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
(届いて――――!)
ぎりぎりで崖まで辿り着き、前方に投げ出すようにした両手が、少年の小さな手を掴んだ。
でも……その時にはもう――。
私の身体も彼と共に、なにもない空の中に投げ出されていて。
「きゃああああああぁぁ――」
「うわぁぁぁぁぁ!」
「シルウィー様ぁっ!!」
眼下に広がるは、針のようにそそり立つ針葉樹とまばらな白雪。
絶景と死の恐怖を同時に味わいながら、必死に少年の身体を抱え込んだ私は……荒れ狂う風の流れの中で、誰かに背中から包み込まれる温かさを感じた時点で、意識を失ってしまった。
ぎりぎりで崖まで辿り着き、前方に投げ出すようにした両手が、少年の小さな手を掴んだ。
でも……その時にはもう――。
私の身体も彼と共に、なにもない空の中に投げ出されていて。
「きゃああああああぁぁ――」
「うわぁぁぁぁぁ!」
「シルウィー様ぁっ!!」
眼下に広がるは、針のようにそそり立つ針葉樹とまばらな白雪。
絶景と死の恐怖を同時に味わいながら、必死に少年の身体を抱え込んだ私は……荒れ狂う風の流れの中で、誰かに背中から包み込まれる温かさを感じた時点で、意識を失ってしまった。