魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そして彼は、気を付けの姿勢で直立していたルシドに歩み寄り――いきなり胸倉を掴み上げると――
「――てめぇ、ふざけてんのか! 俺がお前に下した命令を言ってみろ!」
恐ろしい怒声を放つ。ルシドの顔が強張り、その声が微かに震えた。
「は、はい! なにがあろうとシルウィー様を危険な目に合わせず、お出掛けの際も必ず当日中に店にお戻りいただくようにと――」
「わかってんなら、どういうことだこれは……」
「申し訳ございません! すべて僕の責任です!」
スレイバート様が掴んでいた手を突き飛ばすようにして離すと、ルシドが跪いて首を垂れた。
さすがにこれはあんまりだ。本を正せばこの事態は私が招いたこと。慌てて私はルシドを庇うようにその間に身体を差し込んだ。
「待ってください! さっきも言いましたけど、これには事情が……! 崖から落ちた子供を助けようとしてなんです! 一緒に落ちた私たちを確実に助けるためには、魔力の回復を待たなければならなくて! なにも悪いことは!」
「お前は黙ってろ」
しかしスレイバート様は私をぐいと押し退け、ルシドを冷たく見下ろし続ける。
「――てめぇ、ふざけてんのか! 俺がお前に下した命令を言ってみろ!」
恐ろしい怒声を放つ。ルシドの顔が強張り、その声が微かに震えた。
「は、はい! なにがあろうとシルウィー様を危険な目に合わせず、お出掛けの際も必ず当日中に店にお戻りいただくようにと――」
「わかってんなら、どういうことだこれは……」
「申し訳ございません! すべて僕の責任です!」
スレイバート様が掴んでいた手を突き飛ばすようにして離すと、ルシドが跪いて首を垂れた。
さすがにこれはあんまりだ。本を正せばこの事態は私が招いたこと。慌てて私はルシドを庇うようにその間に身体を差し込んだ。
「待ってください! さっきも言いましたけど、これには事情が……! 崖から落ちた子供を助けようとしてなんです! 一緒に落ちた私たちを確実に助けるためには、魔力の回復を待たなければならなくて! なにも悪いことは!」
「お前は黙ってろ」
しかしスレイバート様は私をぐいと押し退け、ルシドを冷たく見下ろし続ける。