魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「どうしてこうなったかは問題じゃねぇ。こいつは与えられた任務を遂行できなかった。よって、罰されなければならない。違うか、ルシド」
「そんなのおかしいです!」

 私はなおもスレイバート様に食い下がった。人の命を助けようとして、責められるなんて理不尽だ。それにいつもの彼なら、よくやったとルシドのことを褒めてくれるはずなのに、どうしてここまで厳しく当たる必要があるんだろう。

 そんな必死の呼びかけにもスレイバート様は取り合わず、あくまでルシドを淡々とこき下ろしていく。

「お前……これが魔物の襲撃だったらどうしていた」
「えっ……?」

 恐る恐る顔を上げた彼に、スレイバート様の厳しい言葉が突き刺さる。

「もし、その子供とシルウィーが同時に襲われた時。ひとりしか助けられねえ時、どうしたかって聞いてんだよ」
「そ、れは……」

 地面に置かれた拳がぎゅっと握りしめられ、ルシドの首筋に汗が伝う。スレイバート様はそれを見て鼻で笑った。
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