魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
失われる命の重みは、戦いの場に身を置く彼らが一番よく分かっているはず。ルシドは、自分を叱咤するように胸元を強く叩くと、ゆっくりと目の前に置かれた紅茶を飲み干していった。そして、立ち上がると宣言する。
「信頼を失ったのなら、取り戻すしかない。僕は、僕こそがスレイバート様の一番の部下だと認めていただきたい。それにもし、スレイバート様がご自身でシルウィー様を守られるつもりがないというなら……誰かが、その代わりを務めなきゃ」
ボースウィン家に救われ、セルベリア共和国からこの国に移ることになったルシド。
彼が貫こうとしている恩義は本物のはずだし、必ず、今回のことをバネにして強くなるはずだ。けれど……。
「それに……シルウィー様は、お優しすぎる。誰かが守ってあげないといけないんだ。それなら……僕が」
(ん~~~~~……?)
テレサにもある、女性特有のある種の勘が告げている。これはなにかあったなと。
スレイバートにシルウィーの大切さを再認識させるという試みは、少しずつ効果を表しつつある。けれど、その間に他に寄り添う人間がいれば、また別の関係性が発展してゆくのも、無理のないことで。
(これは……少々ややこしいことになってしまった、かも?)
複雑に綾なす人と人との運命は、決して誰にも操り切れるるようなものではないのだと、思い知らされたような気分になるテレサなのだった。
「信頼を失ったのなら、取り戻すしかない。僕は、僕こそがスレイバート様の一番の部下だと認めていただきたい。それにもし、スレイバート様がご自身でシルウィー様を守られるつもりがないというなら……誰かが、その代わりを務めなきゃ」
ボースウィン家に救われ、セルベリア共和国からこの国に移ることになったルシド。
彼が貫こうとしている恩義は本物のはずだし、必ず、今回のことをバネにして強くなるはずだ。けれど……。
「それに……シルウィー様は、お優しすぎる。誰かが守ってあげないといけないんだ。それなら……僕が」
(ん~~~~~……?)
テレサにもある、女性特有のある種の勘が告げている。これはなにかあったなと。
スレイバートにシルウィーの大切さを再認識させるという試みは、少しずつ効果を表しつつある。けれど、その間に他に寄り添う人間がいれば、また別の関係性が発展してゆくのも、無理のないことで。
(これは……少々ややこしいことになってしまった、かも?)
複雑に綾なす人と人との運命は、決して誰にも操り切れるるようなものではないのだと、思い知らされたような気分になるテレサなのだった。