魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
彼は身軽な動作でそこを飛び越えると、私の側に降り立ちこちらへ向いた。
「あなた……赤いハンカチの――」
会場入り私に落とし物を押し付けた、あの赤い髪の男性。ざっくりと撫でつけられた髪の毛は、ひと房だけ長くのばされて首の後ろでくくられている。よく見ればまだ若く、男らしい太い眉と尖った目付きがどこか野性的なものを感じさせた。
スレイバート様より頭半分低く、がっしりとした体を覗き込むように傾けると、彼は私ににこりと微笑みかけた。
「本日の主賓たる、噂に名高い聖女様がこんなところでどうされました?」
「どうって……。ええと……これ!」
私は、彼の目の前に、渡されたハンカチを突き付けてみせる。
「あなたのことを探していたんですよ。これ、私のものじゃないんです! それでもしかしたら、他に落としていそうな方の目星とか、ついたりしないかなって」
「なるほど……それでわざわざこんな人気のないところに来てくれたってわけか」
「…………?」
「あなた……赤いハンカチの――」
会場入り私に落とし物を押し付けた、あの赤い髪の男性。ざっくりと撫でつけられた髪の毛は、ひと房だけ長くのばされて首の後ろでくくられている。よく見ればまだ若く、男らしい太い眉と尖った目付きがどこか野性的なものを感じさせた。
スレイバート様より頭半分低く、がっしりとした体を覗き込むように傾けると、彼は私ににこりと微笑みかけた。
「本日の主賓たる、噂に名高い聖女様がこんなところでどうされました?」
「どうって……。ええと……これ!」
私は、彼の目の前に、渡されたハンカチを突き付けてみせる。
「あなたのことを探していたんですよ。これ、私のものじゃないんです! それでもしかしたら、他に落としていそうな方の目星とか、ついたりしないかなって」
「なるほど……それでわざわざこんな人気のないところに来てくれたってわけか」
「…………?」