魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
彼はにこやかに笑ったまま、こちらにすっと手を伸ばしてくる。ハンカチを受け取ってくれるのだと思った私が警戒せずに待ち受けていると、その手は横を通り過ぎ――。
「手間が省けたぜ」
「きゃぁっ⁉ なにを……」
私の手首を掴むと、身体ごと自分の方にぐっと引き寄せた。
そして彼は、今まで笑顔だった表情を急速に豹変させ、憎しみの籠る目で私に叫ぶ。
「なにを、だと!? なにも知らねえふりしやがって……決まってる! ボースウィン領の聖女……俺は、あんたを、殺しに来たんだッ!」
懐から素早く探り出したナイフを振りかぶるのが、はっきりと見え。
そしてそれは……ギラギラした光を放ち、一気に私の喉元目掛け突き進んでくる――。
(ぁ――――)
恐怖を感じる暇もない。
硬直した私の喉を、ナイフの切っ先が突き破り、白い東屋が血に染まる……!
「手間が省けたぜ」
「きゃぁっ⁉ なにを……」
私の手首を掴むと、身体ごと自分の方にぐっと引き寄せた。
そして彼は、今まで笑顔だった表情を急速に豹変させ、憎しみの籠る目で私に叫ぶ。
「なにを、だと!? なにも知らねえふりしやがって……決まってる! ボースウィン領の聖女……俺は、あんたを、殺しに来たんだッ!」
懐から素早く探り出したナイフを振りかぶるのが、はっきりと見え。
そしてそれは……ギラギラした光を放ち、一気に私の喉元目掛け突き進んでくる――。
(ぁ――――)
恐怖を感じる暇もない。
硬直した私の喉を、ナイフの切っ先が突き破り、白い東屋が血に染まる……!