魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
針のように細めた目で、辺りの惨状を一瞥した後、スレイバート様は皇太子様の方へ進んでゆく。
そして、わずか数歩の距離で向かい合った。
すでにふたりの身体からは、魔法士でなくとも目視出来そうなほどの鮮明さで、スカイブルーとコバルトカラーの魔力が空へと立ち昇っている。
一触即発の雰囲気――。
「この私の行動を、たかが辺境のいち公爵風情が物申す気か? 笑わせる……。帝国は皇室に絶対的忠誠を誓う者達の集まりであり、私がこの国でなにをしようと自由! さあ、直ちに尻尾を巻いて自分の小屋に帰るがいい! 我々の権威に掛かれば、このような田舎などいつでも国の枠組みから切り離してやることができるのだぞ!」
恐ろしい問題発言を発し、声を荒げた皇太子だったが……スレイバート様の答えは、その表情を青くさせるのに十分なほど、凍てついていた。
「やってみろよ……クソ皇子」
さらに一歩、彼の足が踏み込まれ、驚くことに……その分一歩、皇太子様が退いた。
そして、わずか数歩の距離で向かい合った。
すでにふたりの身体からは、魔法士でなくとも目視出来そうなほどの鮮明さで、スカイブルーとコバルトカラーの魔力が空へと立ち昇っている。
一触即発の雰囲気――。
「この私の行動を、たかが辺境のいち公爵風情が物申す気か? 笑わせる……。帝国は皇室に絶対的忠誠を誓う者達の集まりであり、私がこの国でなにをしようと自由! さあ、直ちに尻尾を巻いて自分の小屋に帰るがいい! 我々の権威に掛かれば、このような田舎などいつでも国の枠組みから切り離してやることができるのだぞ!」
恐ろしい問題発言を発し、声を荒げた皇太子だったが……スレイバート様の答えは、その表情を青くさせるのに十分なほど、凍てついていた。
「やってみろよ……クソ皇子」
さらに一歩、彼の足が踏み込まれ、驚くことに……その分一歩、皇太子様が退いた。