魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 そう……ルシドはこれから、現地での活動を支えてくれる仲間の騎士たちと共に、故郷であるセルベリア共和国へと旅立つのだ。
 一旦レーフェルの街に寄り、彼の義父である町長さんに挨拶をして、そのまま国境線を超え、共和国の首都を目指すという――。



 皇太子様たちの襲撃から数日後……ベッドの上で目覚めたルシドはまず私に、身柄を守り切れなかったことを大きく謝罪した。

『僕は皇太子様の不興を買い……この地に争いの種を落としてまでも、あなたのことを守れなかった。ボースウィン領の騎士として……失格です』
『なにを言うの……私はとても感謝してる。あなたは自分にできる最大限の行動をしてくれた。あの場に居なかった誰にも、それを責める権利なんてないわ』
『お姉様の言う通りよ。皇太子様に対して時間を稼ぐことすら誰にだってできることじゃなかった。立派に騎士としての役目を果たしたことを、あなたは誇りに思うべきなの!』

 私とテレサで、どれだけ心を籠めて励ましたとしても、項垂れたルシドの表情は変わらない。

『邪魔するぜ』

 そこへ、唯一この事態において勝利を収めたともいえるスレイバート様が現れ、ぽつりと言った。
< 414 / 1,187 >

この作品をシェア

pagetop