魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そんな風にクラウスは肩を竦めると、積み上がっている書類に再び手をつけながら、こちらに訊ねた。
「閣下こそ調子がよさそうですね。最近はよく眠れているようで、何よりです」
「まあ……でかかった悩みがひとつ片付いたからな」
「お察ししますよ」
やや苦笑気味に頷いたクラウスに決まり悪く俺は顔を背けると、手元の書類に目を通していく。なにせこれだけ広い領地だ……俺の元にまで上がってくる報告など、城で対応する仕事の何百分の一でしかないが、それでも日々膨大な量の内容で頭が破裂しそうだ。いちいち考え込んでいては話にならない。重要なもの以外は半ば反射で片付けていく。
一日は短く、こうでもしなければ自由時間など捻り出せない。とにかく多忙な俺は、目と手を動かしながら、クラウスに告げた。
「ああそうだ。新しい婚約の申し込みは全部断りの手紙を出しといたから、今後は一切受け付けないでくれ。そういう目的での招待も同じくな」
「おお、では!」
そんな俺の言葉を耳にしたクラウスがバッと頭を上げ、嬉々とした表情で揉み手しながらこちらへと近づいてくる。
「閣下こそ調子がよさそうですね。最近はよく眠れているようで、何よりです」
「まあ……でかかった悩みがひとつ片付いたからな」
「お察ししますよ」
やや苦笑気味に頷いたクラウスに決まり悪く俺は顔を背けると、手元の書類に目を通していく。なにせこれだけ広い領地だ……俺の元にまで上がってくる報告など、城で対応する仕事の何百分の一でしかないが、それでも日々膨大な量の内容で頭が破裂しそうだ。いちいち考え込んでいては話にならない。重要なもの以外は半ば反射で片付けていく。
一日は短く、こうでもしなければ自由時間など捻り出せない。とにかく多忙な俺は、目と手を動かしながら、クラウスに告げた。
「ああそうだ。新しい婚約の申し込みは全部断りの手紙を出しといたから、今後は一切受け付けないでくれ。そういう目的での招待も同じくな」
「おお、では!」
そんな俺の言葉を耳にしたクラウスがバッと頭を上げ、嬉々とした表情で揉み手しながらこちらへと近づいてくる。