魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「つ・い・に、シルウィー様とのご結婚を決められたのですね! いやはや、実にめでたい。式の日取りはいつになさいます? 婚礼衣装の仕立てに会場の選定、領民への周知……準備を急いで済ませませんと……!」
「気が早えよ。ったく……」
大袈裟なほどにはしゃぐクラウスの様子に気恥ずかしさを覚えながらも、俺は言い含めておいた。
「まだ誰にも言うな。あいつとの婚約のことだって、今まで大っぴらにはしてなかったからな。まずはそこからだろ。それになぁ……」
「なにか問題でも?」
小躍りしているこいつを前に、俺は一番の問題を口にする。
「分かってねぇんだよ」
「は? なにがでしょうか」
「……肝心の、あいつの気持ちが」
「…………」
すると彼はぴたりと動きを止め、表情を一気に冷ややかなものにした。
「気が早えよ。ったく……」
大袈裟なほどにはしゃぐクラウスの様子に気恥ずかしさを覚えながらも、俺は言い含めておいた。
「まだ誰にも言うな。あいつとの婚約のことだって、今まで大っぴらにはしてなかったからな。まずはそこからだろ。それになぁ……」
「なにか問題でも?」
小躍りしているこいつを前に、俺は一番の問題を口にする。
「分かってねぇんだよ」
「は? なにがでしょうか」
「……肝心の、あいつの気持ちが」
「…………」
すると彼はぴたりと動きを止め、表情を一気に冷ややかなものにした。