魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
私は誇らしげに胸を逸らしたテレサから、さらに魔力を分けてもらうと、そこからも治癒魔法の基礎の練習に集中した。
……そうすると、思考の端々に色んな事柄が流れてくる。
宙ぶらりんになったスレイバート様との婚約のこと。実家のハクスリンゲン家の現在の状況。私の命を狙ったあの青年のことや、私の知らない母の姿と、この目覚めた力についても。
それらはこのまま、自然と流れ去る時間によってすべて、あるがままのように解決されていってしまうのか、それとも……。
「お姉様、なにか心配事でもございまして?」
「……ううん、こっちのこと」
こちらのわずかな表情の変化を読み取ったテレサに心配をかけまいと、私はそれ以上考え込まず、目の前の修業に専念することにした。
けれど……穏やかな日々の始まりに見えたこの時すでに、またしても大きな波乱が私たちに押し寄せようと迫っていて――。
それが明るみに出始めたのは、なんてことのないひと時。
この、隣で微笑むテレサにまつわるとても喜ばしい出来事――そう、年に一度しかない誕生日を直前に控えた、取り留めのない会話の最中であった。
……そうすると、思考の端々に色んな事柄が流れてくる。
宙ぶらりんになったスレイバート様との婚約のこと。実家のハクスリンゲン家の現在の状況。私の命を狙ったあの青年のことや、私の知らない母の姿と、この目覚めた力についても。
それらはこのまま、自然と流れ去る時間によってすべて、あるがままのように解決されていってしまうのか、それとも……。
「お姉様、なにか心配事でもございまして?」
「……ううん、こっちのこと」
こちらのわずかな表情の変化を読み取ったテレサに心配をかけまいと、私はそれ以上考え込まず、目の前の修業に専念することにした。
けれど……穏やかな日々の始まりに見えたこの時すでに、またしても大きな波乱が私たちに押し寄せようと迫っていて――。
それが明るみに出始めたのは、なんてことのないひと時。
この、隣で微笑むテレサにまつわるとても喜ばしい出来事――そう、年に一度しかない誕生日を直前に控えた、取り留めのない会話の最中であった。