魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
(おふたりにもしものことがあってはなんですから、しっかり護衛を……特に魔法士は(・・・・・・)ちゃんと付けてあげてくださいね)
(お前がいてそれを言うかよ。それに、あれだけ立て続けに事件ばっか起こってんだ、もうそろそろタネも切れた頃だろうさ)

 でもスレイバート様は、軽く肩を竦めてみせただけで、さして重くは受け取らずに流した。
 クラウスさんほどこの領内に詳しい人はいないだろうし、それだけ彼への信頼が厚いのだろう。

 テレサも久しぶりにお母さんに会えるのが嬉しいのか、はしゃいで私の背中に抱きつき、共に喜びを分かち合う。そしてその日は彼女と一緒に部屋で手荷物を纏めて、一緒のベッドでお話ししながら眠ってしまった。

 久しぶりの領地外への旅になるかもということで、ふたりともすっかり浮かれていたのである。
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