魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
燃え上がるような赤い光に彼の周囲が包まれ、近くにあった背の高い魔道灯が相次いで砕け火花が散る。内蔵した魔石の魔力が暴発したらしい。
こんな人の多い場所で、これだけの力を持った魔法士が意図的に魔力の暴走を起こしたら、どんな被害が起こるか想像もできない。火属性の魔力となると、この近辺を巻き込む大爆発が起こった上に、大量の魔力がばらまかれ連鎖的に瘴気被害を引き起こすおそれすら……!
(しまった! 私が、彼が倒れている間に魔力を吸い取っていれば……)
慌てて魔力吸収の力を発動しようとするも、その時にはもう猶予はなく、赤髪の青年の口元が強く歪む。
「目的を達せずに掴まるくらいなら、てめえらごと道連れにしてやる! そうすれば、すべてがもとに戻るんだ……俺の領地も、妹も、なにもかもっ! さあ、死ねぇぇぇぇっ!」
膨大な熱気が押し寄せ、皮膚を炙る。
間に合わない――すべてを消し飛ばす大破壊の予感に、せめて私は側にいるテレサだけでも、と彼女を胸の中に囲う。ところが――すぐにそれはぴたりと止んだ。
こんな人の多い場所で、これだけの力を持った魔法士が意図的に魔力の暴走を起こしたら、どんな被害が起こるか想像もできない。火属性の魔力となると、この近辺を巻き込む大爆発が起こった上に、大量の魔力がばらまかれ連鎖的に瘴気被害を引き起こすおそれすら……!
(しまった! 私が、彼が倒れている間に魔力を吸い取っていれば……)
慌てて魔力吸収の力を発動しようとするも、その時にはもう猶予はなく、赤髪の青年の口元が強く歪む。
「目的を達せずに掴まるくらいなら、てめえらごと道連れにしてやる! そうすれば、すべてがもとに戻るんだ……俺の領地も、妹も、なにもかもっ! さあ、死ねぇぇぇぇっ!」
膨大な熱気が押し寄せ、皮膚を炙る。
間に合わない――すべてを消し飛ばす大破壊の予感に、せめて私は側にいるテレサだけでも、と彼女を胸の中に囲う。ところが――すぐにそれはぴたりと止んだ。