魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
その姿を、ついさっきこの場を訪れたクラウスさんと私はじっと見つめた。
ミレッザの街の警邏兵をまとめている管理官が困った様子でペンを放り出す。
「こいつねぇ、襲撃の目的を聞いても、黒髪の聖女様を殺すためだとの一点張りでして。扱いに困っていたところなんですよ。なにせ、身元が身元で……」
「ああ……やはりそうでしたか。例のハンカチのイニシャルから、もしやとは思っていたのですが……」
彼の耳打ちにクラウスさんは面倒そうな表情で応えた。
私の頭にも、ぼんやりと、彼が襲撃時に落としていった赤いハンカチに刺繍された文字が思い浮かぶ。
確か【R・R】――。調書の被疑者名とも一致するその名前は、あることを示していたが、それを尋ねる前にクラウスさんが管理官と取り調べを交代した。
彼は「さて」と、軽い調子でテーブルに両肘を突き、顎を乗せる。
「どうして、うちの聖女様の命をつけ狙うなんてバカな考えに至ったのか、教えてもらえませんかね。ラルフ・リュドベリク君」
ミレッザの街の警邏兵をまとめている管理官が困った様子でペンを放り出す。
「こいつねぇ、襲撃の目的を聞いても、黒髪の聖女様を殺すためだとの一点張りでして。扱いに困っていたところなんですよ。なにせ、身元が身元で……」
「ああ……やはりそうでしたか。例のハンカチのイニシャルから、もしやとは思っていたのですが……」
彼の耳打ちにクラウスさんは面倒そうな表情で応えた。
私の頭にも、ぼんやりと、彼が襲撃時に落としていった赤いハンカチに刺繍された文字が思い浮かぶ。
確か【R・R】――。調書の被疑者名とも一致するその名前は、あることを示していたが、それを尋ねる前にクラウスさんが管理官と取り調べを交代した。
彼は「さて」と、軽い調子でテーブルに両肘を突き、顎を乗せる。
「どうして、うちの聖女様の命をつけ狙うなんてバカな考えに至ったのか、教えてもらえませんかね。ラルフ・リュドベリク君」