魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「誰がっ……! くそ、こんな鎖くらい今すぐ引きちぎって、テメェをごと側にいるその女を――!」
「そんなことを言っていいんですかねぇ。あなた、確か帝国四大公爵の一角、ルーファウス・リュドベリク公の第二子息だということでしたよね? いいですか、そんな身分の者が、他家が統治する領地で……しかもうちの公爵閣下の婚約者であらせられる彼女の殺害を企てた。未遂とはいえ、こんな事実が発覚すれば、公爵家の家名に大きく傷がつきかねませんよ」
リュドベリク領……私たちがこれから向かおうとしていた、テレサのお母様の住まう土地。そしてそれだけじゃなく、ボースウィン家と同等である帝国四大公爵家の治める大領地でもある。つまり彼は、この帝国内でも指折りの地位にある貴族のご令息にあたるのだ。
なぜ、そんな人が私などの命を狙うのか……。
もしや実家や、私も知らない母の生家と何らかの関係が――?
そんなことを考えていた私の思考はたちどころに中断された。
「うるせえ! オレはもう、あの家は捨てた! 今のオレはただのラルフで、その女さえ殺せれば後はどうだっていい! ちくしょう、その女を殺させろ、そしてすべてを終わらせろっ!」
「そんなことを言っていいんですかねぇ。あなた、確か帝国四大公爵の一角、ルーファウス・リュドベリク公の第二子息だということでしたよね? いいですか、そんな身分の者が、他家が統治する領地で……しかもうちの公爵閣下の婚約者であらせられる彼女の殺害を企てた。未遂とはいえ、こんな事実が発覚すれば、公爵家の家名に大きく傷がつきかねませんよ」
リュドベリク領……私たちがこれから向かおうとしていた、テレサのお母様の住まう土地。そしてそれだけじゃなく、ボースウィン家と同等である帝国四大公爵家の治める大領地でもある。つまり彼は、この帝国内でも指折りの地位にある貴族のご令息にあたるのだ。
なぜ、そんな人が私などの命を狙うのか……。
もしや実家や、私も知らない母の生家と何らかの関係が――?
そんなことを考えていた私の思考はたちどころに中断された。
「うるせえ! オレはもう、あの家は捨てた! 今のオレはただのラルフで、その女さえ殺せれば後はどうだっていい! ちくしょう、その女を殺させろ、そしてすべてを終わらせろっ!」