魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『ではラルフ殿、期待していますよ。黒髪の聖女を亡き者に……そして、必ずやこのリュドベルク領に平和を取りもどした英雄となられませ』
『んなことはどうだっていい! 俺は……カヤを――!?』

 気付くと女はもういない。
 まるで空気に溶けたかのよう気配すらなく消え去り……それに戸惑いを覚えながらも、俺はひとり決意を固める。

 もう……ここには二度と戻れなくなってもいい。

 カヤのために手を汚す――この手で……ボースウィン領の聖女を始末すると!
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