魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
シルウィーはバカな父親に北の領地ボースウィン領に送られてしまったと聞いた。そこはすでにヴェロニカの持つ力の影響の範囲内で、どうとでもできる。まあ、仮に皇太子と結ばれていたところで、あの娘の貧相な姿では、すぐにヴェロニカに寝取られ、捨てられることになっただろうが。
路地裏にぼろぼろな姿で横たわり、世を儚いで冷たくなっていく彼女を想像しながら、ヴェロニカは喉を鳴らした。
「あぁかわいそうねえ、哀れで無様で貧相なシルウィー。生まれた時から母の顔も知らず父には疎まれ……あげく寒く厳しい、呪われた地に売られるなんて。かつて賢者の名をほしいままにしたあのマルグリットの血筋が、ボースウィン領と共に絶えてゆく。いい気味よ……」
このままあの娘はしばらく生かしておき、せいぜい無様に苦しみもがく姿を遠くから眺め、溜飲を下げてやることにしよう。
皇太子の前では虫も殺さない聖女を気取っていたヴェロニカの真っ赤な唇は、今やひどく惨たらしい形に吊り上がっている。
「一度、死に際に顔くらいは見せてあげましょうか。気になることは色々あるでしょうからね。ふふ、どんな顔をするのかしら……もし自分が母親の命を奪った元凶だと知ったなら」
そして、テーブルから降りた彼女は壊れるくらいに身を捩り、高々と笑い声を上げる。その身の内から悍ましい影のような魔力を吹き出しながら。
「シルウィー、お前は最後に最も残酷な方法で殺してあげる。それを楽しみに、震えながらこの国の滅びを見届けなさい! あは、あははははは……!」
路地裏にぼろぼろな姿で横たわり、世を儚いで冷たくなっていく彼女を想像しながら、ヴェロニカは喉を鳴らした。
「あぁかわいそうねえ、哀れで無様で貧相なシルウィー。生まれた時から母の顔も知らず父には疎まれ……あげく寒く厳しい、呪われた地に売られるなんて。かつて賢者の名をほしいままにしたあのマルグリットの血筋が、ボースウィン領と共に絶えてゆく。いい気味よ……」
このままあの娘はしばらく生かしておき、せいぜい無様に苦しみもがく姿を遠くから眺め、溜飲を下げてやることにしよう。
皇太子の前では虫も殺さない聖女を気取っていたヴェロニカの真っ赤な唇は、今やひどく惨たらしい形に吊り上がっている。
「一度、死に際に顔くらいは見せてあげましょうか。気になることは色々あるでしょうからね。ふふ、どんな顔をするのかしら……もし自分が母親の命を奪った元凶だと知ったなら」
そして、テーブルから降りた彼女は壊れるくらいに身を捩り、高々と笑い声を上げる。その身の内から悍ましい影のような魔力を吹き出しながら。
「シルウィー、お前は最後に最も残酷な方法で殺してあげる。それを楽しみに、震えながらこの国の滅びを見届けなさい! あは、あははははは……!」