魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
そんな大切なことを話してくれたことを感謝したくて、私は深く頭を下げる。すると、彼女もきちんと私の行動を受け止めてくれた。
「いいの。あたくしの後悔が誰かの役に立ったのなら、それは素晴らしいことだと思いたいし……。それに、あなたが周りの人を気に掛けてくれる優しい子だって知れたしね。ふふ、スレイバートがどうしてあなたを選んだのか、なんとなく分かった気がするわ」
「えっ……」
彼の意志とかじゃなく、それは成り行きで――と反論しようとした時、私の前でエルマ様が素早く動いた。
「――テレサ、大丈夫!?」
気付けばテレサの前ではトラブルが起こっていて、それを助けるために彼女はドレスの裾を汚すのも厭わず必死に駆けてゆく。
腕に包帯を巻いた、体が大きく身なりの派手な男性が、大声でがなり立てている。
「そんな貧乏人の治療をしていないで、先に俺の治療をしろっ! 俺はこの領地に仕える伯爵家の次男なんだ! 優先的に治療を受ける権利があるはずだろう!」
「いいの。あたくしの後悔が誰かの役に立ったのなら、それは素晴らしいことだと思いたいし……。それに、あなたが周りの人を気に掛けてくれる優しい子だって知れたしね。ふふ、スレイバートがどうしてあなたを選んだのか、なんとなく分かった気がするわ」
「えっ……」
彼の意志とかじゃなく、それは成り行きで――と反論しようとした時、私の前でエルマ様が素早く動いた。
「――テレサ、大丈夫!?」
気付けばテレサの前ではトラブルが起こっていて、それを助けるために彼女はドレスの裾を汚すのも厭わず必死に駆けてゆく。
腕に包帯を巻いた、体が大きく身なりの派手な男性が、大声でがなり立てている。
「そんな貧乏人の治療をしていないで、先に俺の治療をしろっ! 俺はこの領地に仕える伯爵家の次男なんだ! 優先的に治療を受ける権利があるはずだろう!」