魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
「それじゃ、明日は予定変更してリュドベルク城に向かおう。さすがにテレサは連れてけねーが、エルマのところに置いときゃあの人が死んでも守るだろ。俺たちは、城を呪いから解放することだけに集中する。それに備えて、ゆっくり休めよ……」
「……ええ」
どこか名残惜しさを感じつつも、私は考え事をしているようなスレイバート様の横顔を視界に収め、先に目を閉じた。きっと、今日は中々寝付けないだろう。心を動かす出来事がありすぎたから……。
それでも、日中の疲れがあってか胸の鼓動はだんだん静かに収まってゆき、うとうとし始めたころ、スレイバート様の耳に優しい低い声が届く――。
「城に戻ったら、婚約指輪、買いに行こうぜ。お前が一番好きなの、一緒に選びたいしな」
かろうじて互いの輪郭だけが映る宵闇もどこか優しく……同室で眠ると決まった時の嫌な緊張はすでにない。今はただ、隣に彼がいる安心感と幸福感だけがこの空間を支配している。
「……楽しみに……してます」
蕩けゆく意識の中でなんとかそれだけを返し、ふんわりと口元を緩めていると、穏やかな眠りの波が私の心を浚ってゆくまでに、そう時間はかからなかった……。
「……ええ」
どこか名残惜しさを感じつつも、私は考え事をしているようなスレイバート様の横顔を視界に収め、先に目を閉じた。きっと、今日は中々寝付けないだろう。心を動かす出来事がありすぎたから……。
それでも、日中の疲れがあってか胸の鼓動はだんだん静かに収まってゆき、うとうとし始めたころ、スレイバート様の耳に優しい低い声が届く――。
「城に戻ったら、婚約指輪、買いに行こうぜ。お前が一番好きなの、一緒に選びたいしな」
かろうじて互いの輪郭だけが映る宵闇もどこか優しく……同室で眠ると決まった時の嫌な緊張はすでにない。今はただ、隣に彼がいる安心感と幸福感だけがこの空間を支配している。
「……楽しみに……してます」
蕩けゆく意識の中でなんとかそれだけを返し、ふんわりと口元を緩めていると、穏やかな眠りの波が私の心を浚ってゆくまでに、そう時間はかからなかった……。