魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
道中でも、ちらほらとまだ人の残る街などは存在していて、どうしても動けない人たちもいる。そのために、なるべくこうして吸い取った瘴気を引き取った空の魔石に蓄え、結界装置などが置かれたいくつかの街へと配ってきた。そして、そういった安全地帯ができていることを、出会った人たちに噂として広めてほしいと頼んで来たので、少しでもそれで生き残れる人が増えてくれると幸いだ。
だが、いくら瘴気を吸い取ろうと、いずれまた復活するのでは意味がない。やはり、なるべく早く、根本となっている原因を取り除くことが、この事態を解決する唯一の方法なのだろう。
そんなことを考えつつ、私は気持ちを逸らせていたのだが……。
「おい、赤髪、こっからは俺が御者を変わる。そろそろお前は道筋だけ指示して奥にすっこんでろ」
「はぁ? あんたが案内役をやれって言ったんだろうがよ! それにボースウィン領のお坊ちゃんにリュドベルク領の暴れ馬が使いこなせるかっての。魔物が来てもシルウィー様はオレが守ってやるからよ。あんたこそ、車ん中でぐーすか昼寝でもしてろってんだ」
実は今御者台はぎゅうぎゅうで、私は右隣にスレイバート様、左隣にラルフさんと、男性ふたりに挟まれており、非情に落ち着きにくい状態なのだった。
私が御者席に出るようになると、スレイバート様が得体の知れない男とふたりにさせるわけにはいかないと譲らなかった結果だ。婚約者としては大変ありがたい配慮なのだけれど、鍛えあげたラルフさんと私がそれぞれ端によると、重量差で馬車が安定しにくくなってしまう。なるべくスピードを落としたくないという事情もあって、こういう配置にならざるを得なかったという……。
だが、いくら瘴気を吸い取ろうと、いずれまた復活するのでは意味がない。やはり、なるべく早く、根本となっている原因を取り除くことが、この事態を解決する唯一の方法なのだろう。
そんなことを考えつつ、私は気持ちを逸らせていたのだが……。
「おい、赤髪、こっからは俺が御者を変わる。そろそろお前は道筋だけ指示して奥にすっこんでろ」
「はぁ? あんたが案内役をやれって言ったんだろうがよ! それにボースウィン領のお坊ちゃんにリュドベルク領の暴れ馬が使いこなせるかっての。魔物が来てもシルウィー様はオレが守ってやるからよ。あんたこそ、車ん中でぐーすか昼寝でもしてろってんだ」
実は今御者台はぎゅうぎゅうで、私は右隣にスレイバート様、左隣にラルフさんと、男性ふたりに挟まれており、非情に落ち着きにくい状態なのだった。
私が御者席に出るようになると、スレイバート様が得体の知れない男とふたりにさせるわけにはいかないと譲らなかった結果だ。婚約者としては大変ありがたい配慮なのだけれど、鍛えあげたラルフさんと私がそれぞれ端によると、重量差で馬車が安定しにくくなってしまう。なるべくスピードを落としたくないという事情もあって、こういう配置にならざるを得なかったという……。