魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
頭の上で行われる言い合いに耳を塞いで首を低くしつつも、私はふたりに気を逸らさせようと、どうにか瘴気の吸収を維持したままラルフさんに尋ねかけた。
「え~と、そういえば、お兄さんのエルハルトさんとは髪の色が違うんですね?」
「ん? ああ……オレだけ母親が違うからな、親父も兄貴もカヤも他は皆金髪だよ。おかげで、オレだけリュドベルク公爵家に伝わるものとは違う、おふくろの家系の火の魔力を受け継ぐことになっちまった」
「そういや、リュドベルク公爵家は、豊穣を司る草花の精霊の加護を受けているって、どっかで聞いたことがあったっけな」
スレイバート様が氷の鏡で周囲を観察しながらこぼした言葉に、ラルフさんは肩を竦めると、今リュドベルク城に起きている状況の推測を語り始めた。
「まーな。カヤは身体が弱かったんで厳しい魔術の修練こそできなかったが、かなり大きな魔力を持っていた。ひょっとしたら、その魔力が呪いに利用されて、リュドベルク領にこれだけ大きな災厄が降りかかっちまったのかもしれねえ」
エルハルトさんから聞いた情報では、お城は次第に巨大な草木の蔓で覆われ、城内にもどこからか生み出された植物型の魔物がうろついているはずだという。スレイバート様が呪いを受けていた時とはまた異なる……いや、領地の惨状を考えるれば、さらに悪い状況か。そうなると、呪いの進行はもう末期で、どうしようもないところにまで辿り着いてしまったのかも。
「え~と、そういえば、お兄さんのエルハルトさんとは髪の色が違うんですね?」
「ん? ああ……オレだけ母親が違うからな、親父も兄貴もカヤも他は皆金髪だよ。おかげで、オレだけリュドベルク公爵家に伝わるものとは違う、おふくろの家系の火の魔力を受け継ぐことになっちまった」
「そういや、リュドベルク公爵家は、豊穣を司る草花の精霊の加護を受けているって、どっかで聞いたことがあったっけな」
スレイバート様が氷の鏡で周囲を観察しながらこぼした言葉に、ラルフさんは肩を竦めると、今リュドベルク城に起きている状況の推測を語り始めた。
「まーな。カヤは身体が弱かったんで厳しい魔術の修練こそできなかったが、かなり大きな魔力を持っていた。ひょっとしたら、その魔力が呪いに利用されて、リュドベルク領にこれだけ大きな災厄が降りかかっちまったのかもしれねえ」
エルハルトさんから聞いた情報では、お城は次第に巨大な草木の蔓で覆われ、城内にもどこからか生み出された植物型の魔物がうろついているはずだという。スレイバート様が呪いを受けていた時とはまた異なる……いや、領地の惨状を考えるれば、さらに悪い状況か。そうなると、呪いの進行はもう末期で、どうしようもないところにまで辿り着いてしまったのかも。