魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
ラルフさんの号令と共に鞭の音が響き、恐れるなと伝えられた馬たちが速度を上げる。隣のスレイバート様が魔力を練り上げ、道を塞ごうとする魔物達に照準を向けるのを確認すると、私も瘴気の除去に集中する。
もうすでに、遠くにはぼんやりとした巨城の影が見え始めている。
立ちはだかる夥しい数の魔物をスレイバート様は次々に魔法で薙ぎ払い、ラルフさんは見事な操車術でその隙間をかいくぐっていく。
そうして――いつしか、断末魔を切り裂くようにできた青い氷の道が目の前に開いた。その上を、馬車は狙い定められた矢のように、まっすぐに加速していった。
到着はもうすぐだ……私はいっそう強く、手のひらにひとりで孤独と戦う少女への想いを込める。
(私たちがたどり着くまで、どうか無事で――)
もうすでに、遠くにはぼんやりとした巨城の影が見え始めている。
立ちはだかる夥しい数の魔物をスレイバート様は次々に魔法で薙ぎ払い、ラルフさんは見事な操車術でその隙間をかいくぐっていく。
そうして――いつしか、断末魔を切り裂くようにできた青い氷の道が目の前に開いた。その上を、馬車は狙い定められた矢のように、まっすぐに加速していった。
到着はもうすぐだ……私はいっそう強く、手のひらにひとりで孤独と戦う少女への想いを込める。
(私たちがたどり着くまで、どうか無事で――)