魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
『――誰か……助けて』
(…………?)
変わり果てたその様子にラルフさんが肩を震わせる様子を見つめる間。ふと微かに声が聞こえたようで――私は周囲を見回す。
「おい、大丈夫か? そのペンダント、なんか一瞬光ってた気がしたが」
「えっ……? 今はなんともないみたいですけど……」
「……気のせいかもな」
するといきなりスレイバート様にそんなことを言われ、困惑しながら胸元を見下ろすが、特に変化はない。
やや引っ掛かるが、いつまでもそんな出来事を気にしているわけにはいかず、私も彼らにならって、視界のずっと奥に鎮座する巨大かつ異様な物体を見上げた。
恐ろしい程巨大な紫の円蓋。ほとんど全面に、宮殿の柱ほどはあろうかという蔦が、わさわさと張り巡らされている。
ところどころに突き出した銀鼠色の尖塔は、かつてそれが領民たちに信仰を向けられ、彼らを見守るための建造物だったという名残か……。
(…………?)
変わり果てたその様子にラルフさんが肩を震わせる様子を見つめる間。ふと微かに声が聞こえたようで――私は周囲を見回す。
「おい、大丈夫か? そのペンダント、なんか一瞬光ってた気がしたが」
「えっ……? 今はなんともないみたいですけど……」
「……気のせいかもな」
するといきなりスレイバート様にそんなことを言われ、困惑しながら胸元を見下ろすが、特に変化はない。
やや引っ掛かるが、いつまでもそんな出来事を気にしているわけにはいかず、私も彼らにならって、視界のずっと奥に鎮座する巨大かつ異様な物体を見上げた。
恐ろしい程巨大な紫の円蓋。ほとんど全面に、宮殿の柱ほどはあろうかという蔦が、わさわさと張り巡らされている。
ところどころに突き出した銀鼠色の尖塔は、かつてそれが領民たちに信仰を向けられ、彼らを見守るための建造物だったという名残か……。