魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 どこからともなく、喉の奥から絞り出すような笑い声が私たちの後頭部に妖しく響く。

「ふふふ……。よく来ましたね、リュドベルク公家の次男坊ラルフ。そして……ボースウィン領の聖女シルウィー」
「誰っ!?」

 振り向けば、室内の片隅。

 出現の気配を全く知らせず……たった今ひとりがけのソファの上から、その人物――黒いローブの女が優雅に立ち上がったところだった。
< 641 / 1,187 >

この作品をシェア

pagetop