魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 魔法の力には、時に感情が強く作用する。その人が抱く情愛や憎しみ、悲しみ、ありとあらゆる思いが、源となるイメージを果てしなく増幅、あるいは減衰させるのだから。

 ラルフさんのカヤさんを想う心が、強い魔力の迸りとなってこの部屋中を燃え盛る火炎で満たしてゆく。炎の檻が、女性を逃さない。

「おぁぁぁぁぁぁっ! 俺の妹を、返せぇぇぇぇっ!!」
「――――くうっ!」

 まるで自身が燃え盛る隕石とでもなったかのように――逃げ場を失くした女性へとラルフさんが突貫する。炎の尾を引いた眩い閃光は瞬きも許さない速さで災いの元凶にぶつけられ、闇を白く染めるほどの強烈な爆発を引き起こした――。
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