魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
仮に同じような選択を迫られたとして、どれほどの人が愛しい人を選ばずにいられるだろう。甘い囁きに流されず、憎しみの因果を断ち切って見せた彼には、尊敬の思いしかない。
『……おのれ。ならば、お前たちはこの城の中でゆっくりと朽ち果ててゆくがいいわ。そうすれば新たなる呪いの苗床となり、よりリュドベルク領を恐ろしい災いが襲うでしょう……ふふふ、あはははははは!』
どこからか聞こえてくる女性の哄笑が遠ざかり消えてゆく。残念ながら逃げられてしまったようだが、しかしそれはどこか苦しげで、なんらかの痛手を負わせたのは確実のようだ。
「立てますか……ラルフさん」
「ああ……」
私は肩を貸すと、彼をなんとかカヤさんのもとへと連れていった。そして、今こそやるべきことを果たすべきだと、心を落ち着ける。
一旦瘴気を吸い込み清浄な区域を広げたが、このままではまた数分もしないうちに元通り濃い瘴気に取り巻かれてしまうだろう。しかし、今はそちらに力を割いている余裕もない。
すでにぴりぴりと肌を刺すような毒気を感じながら、私はラルフさんに先に告げておく。
『……おのれ。ならば、お前たちはこの城の中でゆっくりと朽ち果ててゆくがいいわ。そうすれば新たなる呪いの苗床となり、よりリュドベルク領を恐ろしい災いが襲うでしょう……ふふふ、あはははははは!』
どこからか聞こえてくる女性の哄笑が遠ざかり消えてゆく。残念ながら逃げられてしまったようだが、しかしそれはどこか苦しげで、なんらかの痛手を負わせたのは確実のようだ。
「立てますか……ラルフさん」
「ああ……」
私は肩を貸すと、彼をなんとかカヤさんのもとへと連れていった。そして、今こそやるべきことを果たすべきだと、心を落ち着ける。
一旦瘴気を吸い込み清浄な区域を広げたが、このままではまた数分もしないうちに元通り濃い瘴気に取り巻かれてしまうだろう。しかし、今はそちらに力を割いている余裕もない。
すでにぴりぴりと肌を刺すような毒気を感じながら、私はラルフさんに先に告げておく。