魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 ――リュドベルク領を襲った恐ろしい災厄が過ぎ去って、もう半月。

 オレ――ラルフ・リュドベルクは現在、彼ら大工職人たちと一緒に、城の近隣に作られた仮設住居で寝泊まりしながら、リュドベルク城の再建作業へと取りかかっている。今後この領地を速やかに復興させるためには、拠点となるこの場所の復活は急務だ。

 なのでオレはこうやって日々、各作業場の橋渡し役を務めつつ……重量のある荷物の輸送とか、使い物にならなくなった瓦礫の撤去とかをこなしているってわけだった。ま、いわゆる雑用係ってやつだな。

 こんなことをやらされてるのも……先日の件でお咎めに合い、兄貴のエルハルトにこう厳しく命じられちまったからだ。

『――お前は当主代理たる私の権限を持って一度当家を追放された身。それを不問にしてもらいたいと思うのならば、それなりの誠意を見せるのが、当然の筋だろう』

 これは仕方ないっていうか、むしろその程度で済んでよかったと思える。

 常識的に考えるなら……オレは親父亡き後、兄貴と共にこのリュドベルク領の危機に一番に立ち向かわなきゃいけなかった人間だ。
 それを省みず、自分勝手に妹の身だけ案じて助けようとしたのだから、普通に牢獄行きや領地追放だってあり得たはず。このくらいの罰で済ませてくれて、オレは初めて苦手だった兄貴に感謝した。
< 684 / 1,187 >

この作品をシェア

pagetop