魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 ともかく、償いのために任された再建作業の監督役だ。さすがに不真面目に務める気にはなれず……気が付けばこんな感じで朝から晩まで汗水垂らし駆けずり回っている、というわけだった。

 さっきも言った通り、オレにできることなんてたかが知れてる。雑用や、仲間割れした時に仲裁したり、後は周辺に魔物が現れた時の警備要員ってのが関の山か。

 それでも、こうしてまた新しい日々を送れることは、すごくありがたい。騒動があったことを思い出すと、こうして一日中働いていても悪くないと思えてくる。

 大それたことは言えないし、できもしないが……一日でも早く失われたものを取り戻せるように微力を尽くす。
 そんな気持ちで働いていると、あっという間に日は高くなり昼休憩の時間となった。

(ふーっ……こりゃあ人が住めるようになるのは、まだしばらく先だなぁ)

 大体作業に一区切りが付き、城の地図と照らし合わせた修復が必要な個所に赤印をつけていると、オレはいつの間にか城門の近くに辿り着いていた。

 そこでは作業者たちがちらほらと地面に座り、それぞれの弁当を広げている。その輪の中に混じり、談笑していた車椅子の少女が肩口までの金髪を揺らしてこちらに振り返る。
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