魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
しかしそんな偉大な彼女ですら、男を見る目だけは持っていなかった。悲しいことに、外見と家柄だけが優れた父ゴディアにころっと騙され、ある日婚姻を結んでしまった。
その後すぐに、私を生んで亡くなったというからさあ大変。国は強力な魔法士の損失を憂い、父も大変悲しんだと聞いたけれど。
『ははは、我が娘よ。将来は母の様に偉大な魔法士になって、我がハクスリンゲンの家名を帝国中に轟かせるのだぞ!』
子どもの頃、顔を見せたと思ったらそんな話ばかりしていた父しか知らない娘の私からしたら、どうせそれは愛情じゃなく、優秀な子種を残す母体が惜しかっただけだろうなと思う。
まあともかく、そうして私は母の命と引き換えにして生まれてしまった。そしてなまじ強大な魔力を持っていたためか、まだ赤子の内から多くの貴族の期待と興味を呼ぶことになった。
それは王侯すら例外でなくて、なんと国王から直々に、ディオニヒト皇太子の婚約者にどうかと望まれたのだ。
きっと父はその時小躍りして喜んだだろう。交渉で引き出せるだけの条件を引き出すと、彼はなにも知らない私に婚約を結ばせたのだ。
こうして、まだ言葉も満足にしゃべれないうちに……私の未来にはまっすぐな一本道が敷かれてしまった、というわけである。
その後すぐに、私を生んで亡くなったというからさあ大変。国は強力な魔法士の損失を憂い、父も大変悲しんだと聞いたけれど。
『ははは、我が娘よ。将来は母の様に偉大な魔法士になって、我がハクスリンゲンの家名を帝国中に轟かせるのだぞ!』
子どもの頃、顔を見せたと思ったらそんな話ばかりしていた父しか知らない娘の私からしたら、どうせそれは愛情じゃなく、優秀な子種を残す母体が惜しかっただけだろうなと思う。
まあともかく、そうして私は母の命と引き換えにして生まれてしまった。そしてなまじ強大な魔力を持っていたためか、まだ赤子の内から多くの貴族の期待と興味を呼ぶことになった。
それは王侯すら例外でなくて、なんと国王から直々に、ディオニヒト皇太子の婚約者にどうかと望まれたのだ。
きっと父はその時小躍りして喜んだだろう。交渉で引き出せるだけの条件を引き出すと、彼はなにも知らない私に婚約を結ばせたのだ。
こうして、まだ言葉も満足にしゃべれないうちに……私の未来にはまっすぐな一本道が敷かれてしまった、というわけである。