魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 ――問題はその後。

 当然ながら父は、小さな頃から私に魔法士としての厳しい教育を与え始めた。母以上、もしくは最低限それに並ぶ魔法士として育たなければ、王族の期待には応えられないから。

 五歳くらいから、厳しい家庭教師が付けられ、朝から晩まで机にかじりつく日々。
 毎日五時間程度の短い睡眠時間や、食欲は怠惰を招き魔力の成長を阻害するとかいう、本当かどうかわからない理屈のせいでごく質素な食事。そのせいで小さなころはよく貧血で倒れていた。今も同年齢の女性と比べても頭半分背が低く、よく無事にここまで育ってこれたものだと本気で思っている。

 だが、その間にも予定外の事実が発覚する。
 ことの始まりは魔法教育の開始直前。五歳時に測定した私の魔力が、なぜか出生直後より減少していたのだ。

 通常、魔力量は生まれてから成人まで大きく上昇し、三十代くらいまで下がることはない。
 元々母に近い魔力量を持って生まれたのだから、ゆくゆくはそれを(しの)ぐはず。そんな思惑を父が抱いていたのも無理はない。朗報を心待ちにしていた彼は、届いた測定結果に愕然としたことだろう。
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