魔力を喪った賢者の娘は、とある帝国公爵の呪いを解いてあげたのです……が? ~傾く領地を立て直したら、彼が私に傾いてきた~
 これまでは、瘴気のように誰かから魔力を吸収させてもらわなければ使えなかった魔法が多少であれど使えるようになった。

(……でも今のところ、この魔力ってどの属性のものかよく分からないのよね……)

 以来ありがたい悩みが、私の頭の片隅を占拠している。
 修練が足りないせいもあるかもだけれど、この魔力では火魔法も水魔法も、テレサのような治癒魔法も発動することができなかった。となると、魔石などと同じような無属性の魔力に近いものなのだと考えられる。

 とはいえ、身体強化や防御魔法などの発動できる魔法はないことはないし、魔道具の使用や、廃棄魔石への魔力の譲渡には使えそうだから、まったく意味がないという訳ではない。
 それに大した量ではなくても自分が魔力を常時纏っているというのは安心するもので――偶然の産物にしては幸運過ぎる贈り物なのだった。
 
 一方で気になる事実も増え……リュドベルク城で現れた黒ローブの女についてスレイバート様にも確認を取ったところ、彼も戦闘中にぼろぼろの姿で脱出していくその姿を見かけたようだ。私たちを守るために追うことはできなかったが、彼もまたそれをヴェロニカだと判断したらしい。
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